先週たてつづけに重い映画を見たので、娯楽作を見に行ってきた。「カジノロワイヤル」というとショーン・コネリーの007ではなく、高校のころに読んだ007のパロディ小説の 定吉七番シリーズ 角のロワイヤルを思い出してしまった。パロディとはいっても本家にひけをとらないくらい面白かったのを覚えている。たしか、角のロワイヤルは東京にある高級クラブだった…。なんて話をしていると年がばれるな。
今回はボンドが007になるまでの物語。なんかスターウォーズあたりから、そういうのが多いよなあと思う。バットマンもそうだったし。でも、実際そういうのも面白くて見てしまうんだよなあ。日本だったら寅さんがああいう風になるまでとか、水戸黄門が諸国を旅し始めるまでなんてのを作ってみたらどうだろうか。まあ、見ないと思うけど(汗)。
スパイ映画というとアクション満載で息つく暇がないというイメージがあるが、この映画はメリハリがきいててよかった。同じスパイ映画でもアメリカンなMIシリーズに比べて、ヨーロピアンな渋さが光っていたと思う。MIのありえない感じとは違って、ちょっとはありそうな感じがしてしまうのも面白いところではあった(実際にはないと思うけど。)。007につきもののハイテク機器はそれほど出てこないが、その分ジェームズ・ボンドの人間性が出ていて好感が持てた。前作までのスマートなブロズナンよりも、ちょっと屈託があってクールな感じのダニエル・クレイグのほうが魅力的だったと思う。
パソコン使ったり、携帯でメールやり取りしたりとスパイも時代に合わせて変わっていて、昔のアクロバティックな連絡の取り方がなくなっているのはちょっと残念ではある。これも時代の流れかな?変に身近な感じがしてしまったが、もうちょっと荒唐無稽があってもよかったかもしれない。
舞台はけっこうよかった。ベネチアやコモ湖(モンテネグロのカジノロワイヤル)などのイタリアの風景や、粋なセリフ回しなど、ヨーロッパ風のおしゃれな雰囲気が満載。ボンドカーとしては物足りないかもしれないが新旧のアストンマーチン対比などツボも押さえられていた。次回への期待をさせるラストシーンも秀逸だった。
全体としては単純なストーリーだけど、難しいことを考えないで楽しめるお勧めできる映画だったと思う。
しかし、先週見た硫黄島2部作とは違った意味で人が簡単に殺されたりして、こっちでは命の重みではなく、命の軽さを感じてしまった。